原題:Holes
著者:ルイス・サッカー
発行:1998年
無実の罪で少年たちの矯正キャンプに放りこまれたスタンリー。かちんこちんの焼ける大地に一日一つ、でっかい穴を掘らされる。人格形成のためとはいうが、本当はそうではないらしい。ある日とうとう決死の脱出。友情とプライドをかけ、どことも知れない「約束の地」をめざして、穴の向こうへ踏み出した。
<感想>
うーん、面白い。
プロットで読者を楽しませる類のエンタメ色の強い作品ですが、登場するキャラクターたちがただそれに引っぱられているだけではないのがまたいい。
現在と過去のお話が入り乱れて展開されてゆくので、人によってはちょっと読みにくいと感じるかもしれませんが、あらゆるところに伏線が張られているので、ラストの痛快な展開を堪能するためには、流し読みせずじっくり読み進めた方が吉です。
ちなみに、終盤の”幸せ過ぎて眠れないスタンリーとゼロの鼻の下の花びら”のエピソードが、個人的には強烈にツボでした。
ページにして2ページ程度のほんのさりげないエピソードでしたが、これがあるとないとで、自分の中でのこの作品の印象が180度違っただろうと思えるほど、強く心に残る大好きなシーンでした。
それ以外の様々なエピソードもとにかくいちいち好みで、文句なくお気に入りの作品のひとつになりました。
児童文学 | 穴 HOLES
