児童文学 | アルジャーノンに花束を

原題:Flowers for Algernon
著者:ダニエル・キイス
発行:1966年
32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイ・ゴードン。そんな彼に、夢のような話が舞いこんだ。大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ。この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに。やがて手術により、チャーリイは天才に変貌したが・・・。

<感想>
小学生の頃に一度読んだきりで、この歳まで一度も読み返したことがなかったので、これはいかんと思い再読。
小説としての巧さや深さはそれほどでもないんですが、フィクションとはいえ、知的障害を抱えた一人の青年の残酷な体験を通して、この作品が読み手に投げかけてくるものはとても大きく、これだけ広く長く読まれ続けているのにも大いに納得。
自分には関係のない世界として、これまで一顧もせずのうのうと日々を過ごしていたことに、いっとき罪悪感すら覚えるほど、色々考えさせられました。
この作品自体は、何らかの答えを出しているワケではないので、読む人によって感じることは千差万別になってくるとは思いますが、どうあれ若いうちに一度は読んでおいて損はない作品だと思います。
なお、中高生が読んで、この内容を一人で消化するのはなかなか難しいと思いますので、この作品を子供に勧める大人の方は、是非一緒に読んで、一緒に考えてあげてほしいと思います。