原題:Tins
著者:アレックス・シアラー
発行:2006年
くるくる天然パーマに牛乳瓶めがねの少年、ファーガルの趣味は、スーパーで安売りされる、「ラベルのない(取れてしまった)」缶詰を集めること。中身を想像し、並べて楽しむのだ。ところがある日手に入れたのは、軽くて振るとカラコロ音がするおかしな缶詰。好奇心に負け、ふたをを開けると、中には金のピアスが入っていた!いったいなぜ―?こうして、ファーガルの、ラベルのない缶詰をめぐる冒険がはじまった・・・。
<感想>
無くても成立するストーリーに、わざわざねじ込まれるグロ要素。
ラベルのない缶詰を集めるという変わった趣味から展開してゆく物語はなかなか引き込まれるものがありましたが、そんなグロ要素のおかげで結局ビミョーな読後感。
ファーガルたちが缶詰から見つけたアレやコレやはまだしも、ディンブル=スミス夫婦がたどる悲惨な末路は、それこそどこかのB級ホラー映画のようなオチで、まぁ個人的には嫌いではないですが、あえてこれを子供に勧めるというのもどうなんだろう。
あと、「ミッシング」を読んだときにも感じたんですが、この作者の”大人”というものに対して敵意を向けるような描き方が作品全体を浅くしてしまっていると感じるのは自分だけでしょうか。
児童文学 | ラベルのない缶詰をめぐる冒険
