原題:The Speed of the Dark
著者:アレックス・シアラー
発行:2003年
ある日、若い科学者クリストファーが姿を消した。彼は、ひたすら「光の減速器」の研究を続ける、ちょっと変わった青年だった。失踪の際、彼は同僚のチャーリーにある原稿を残した。そこには、不思議な物語が綴られていた。彼が残した物語は、真実か、それともまったくの空想か。
<感想>
何とも言えない不穏な空気の漂う、苦みのある物語でした。
ジャンルはヤングアダルトに分類されているようですが、あえてその年代を意識して書かれた作品ではなさそうです。
自らの醜い容姿にコンプレックスを抱くエックマンの”偏執的な愛情”が描かれた物語で、こういったテーマは他の作品でもよく見かけますが、この作品のそれは、程よくマイルドに描かれているので、刺激が強すぎなくていいのかもしれないですね。
ラスト、必死にケーキを守ろうとするエックマンがなんとも哀れで切なかった。
世界観も含め、なかなか好みの作品でした。
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