原題:The uncommon reader
著者:アラン・ベネット
発行:2007年
飼い犬が縁で、読書に目覚めた女王エリザベス二世。読書は彼女に喜びと、ひとつの疑問をもたらした。女王ではない、「わたし」の人生とは、何・・・?
本好きなら、読むことと書くことの本質を鋭く考察した台詞や思索の数々にうなずかされる部分も多い。実在の女王が主人公という大胆な設定で、ひとりの人間が読書によって成長し、ついには80歳にして新たな生き甲斐を発見していく姿を描いた、感動の一冊。
<感想>
軽快にさらっと楽しく読める内容ですが、“読書”について意外に深く考えさせられる作品でした。
本を読むということは、あくまで人間を成長させるただの一要素でしかない、ということを再認識。
可笑しさの中にもチクリとしたものがあり、読後の満足感はなかなかのものでした。
他では読めない内容の作品だと思いますので、是非ともオススメしたい本ではありますが、ただ、もともとが子供向けに書かれた作品ではないので、作中に軽い(?)下ネタのセリフがあったりして、ちょっと残念。
児童文学 | やんごとなき読者
