原題:さらば、おやじどの
著者:上野瞭
発行:1985年
素っ裸で城下を走り回った新吾は、番所頭の父親みずからの裁きによって、牢送りになる。牢の中には、無実の罪で捕らわれている老人がいた。裁きに疑問を抱く新吾は、仲間とともに老人の脱獄を企てる。父子の愛と葛藤、人間の影の世界を、少年の成長ともに描く。
<感想>
これ、本当に子供向けの作品なんでしょうか・・・?
グロい・・・、グロすぎる・・・。
とにかくハードな展開の連続で、精神的にダメージを食らうこと必至です・・・。
大人が読んでもそうなので、子供に勧めるのはさすがにキツいかなぁとも思うのですが、ただ、個人的な感想を言うと、とても大好きな作品です。
冒頭、新吾が素っ裸で城下を走り抜けるシーンからぐぐっと引き込まれ、辞書か!と思うほどぶ厚いページ数にもかかわらず、次へ次へとグイグイ読ませるパワーがありました。
ラスト、みんなで城下を走り抜ける“提灯ぶうらぶら”は非常に痛快で、これ以上ないくらいの素晴らしい締めだと思います。
児童文学 | さらば、おやじどの
