ゲーム | Quantum Break(クォンタムブレイク)

開発元:Remedy Entertainment
発売元:Microsoft Studios
リリース日:2016年9月30日
タイムマシンの実験の失敗により時間の流れが崩壊してしまった世界。クロノン粒子の影響により時間を操る能力を得たジャックは、謎の女性べスと共に、時間の断裂を修復し世界を正常な状態へ戻すため、時の修復は不可能と断言する旧友ポール・セリーン率いるモナークソリューションズとの闘いに身を投じてゆく…。

↓↓以下ネタバレが含まれている場合がありますのでご注意ください。↓↓
待ちに待ったSteam配信から早3か月、セールでちょっと安くなっていたので、ここに来てようやく購入、プレイしました。
難易度はノーマルで一通りクリア。TPSにしろFPSにしろ、シューターはてんでヘタレな自分でもほぼ詰まるところなくサクサク進めましたので、難易度的には甘い方でしょうか。
ラストのポールとの対決だけちょっと難しくて何度もリトライしてようやくクリアしましたが、あれも意味が分かればそれほど苦労はしない程度かと。
このゲーム、一応TPSではありますが、シューターとしての面白さよりも、ストーリーテリングの面白さを売りにしたゲームですので、がっつりTPSを楽しみたいというガチプレイヤーには物足りないでしょうね。
ちなみに自分はストーリー目当てでのプレイでしたので、その点に関しては特に不満はなしです。通しての感想は十分満足できたと言える面白さでした。

ただ一点。巷のレビューでもさんざん言われているので、わざわざここで書くのもアレなんですが、やっぱり書いておきたい日本語字幕の問題。
全体を通して、ゲームパートでも実写パートでも、日本語字幕の出方が最適化されていなかったのがとても残念でした。
とにかく出て消えるのが早いし、キャラクターが喋るタイミングとずれてるシーンが多々あったりと、これ、もうちょっとなんとかならなかったんでしょうかね。
もちろん公式で日本語化していただいているというだけでそれは本当に本当に有り難いことではあるのですが、せめてもうちょっと読みやすくしてほしかったというのが正直なところ…。
ラストのリアムとチャーリーのやり取りのシーンなんて、二人とも矢継ぎ早に喋るもんだから、どっちがどっちのセリフなのか分からなくなってしまい頭の中しっちゃかめっちゃかでした。せっかく良いシーンなのにさ。
あと、テレビやラジオから流れる音声などが日本語化されていませんでしたね。あのあたりもちゃんと日本語化されていたら、物語にもっと臨場感が出て没入感もさらに増しただろうと思うと本当に残念…。

それはさておき、肝心のストーリーについてですが、これについては文句なく面白かったです。
まだまだ続きそうなストーリーでしたし、メインで語られていない(ハッチの正体とか)部分もあったりと、一見“投げっぱなし”に見える終わり方ではありましたが、そもそも今作では、ジャックとポールの闘いが主題となっているはずなので、その闘いにいったん決着がついて終わるラストに“投げっぱなし”という印象は個人的にはありませんでした。
要は海外ドラマでシーズン1が終わったといった感じでしょうね。シーズン2があるのかどうかは分かりませんが、個人的にはどういった形であれ続きが観たいです。
自分が正しいと思った道をひたすら突き進む馬鹿で無謀なジャックが、最終的にはすべての不可能を覆して世界を救うラストが観たいなぁ。

ちなみに、このゲームの売りのひとつでもある実写パート。なかなかにクオリティの高い出来でして、存分に堪能させていただきましたが、いやいや、その実写パートに肝心のジャックがほとんど出てこない。なんでや。
ストーリーも中盤あたりで、ああこの実写パートはメインストーリーとは別軸のサイドストーリーを追っているのか、と気づきましたが、これには本当にがっくり。
それというのも、主人公ジャックの俳優さん“ショーン・アシュモア”は自分の好きな俳優さんの一人で、ショーン目当てでこのゲームを買った部分も少なからずあり、もちろん実写パートにもショーンががっつり出てるものと思っていたので、ちょっとションボリでした。
この、メインをゲームパートにして、サイドを実写パートにするのって、実際どうなんでしょう。やっぱりなんだかんだ言っても実写の方が表現力がありますし、どうしても実写パートの主人公リアムの方が印象が強くなってしまって、肝心のジャックの影がどうにも薄くなってしまっている気がしますよね。うーむ。
ただまぁ実写パートが面白くないと言っているワケではないですよ。超人的な力を持つジャックやポール、ハッチたちの影で、一般人であるリアムたちが泥臭く頑張っている姿は本当に胸を打つものがありました。
リアムの戦う姿を目の当たりにして動転する奥さんに、リアムが「俺は不器用な人間だけど、お前たちを守らせてくれ」と懇願するシーンなんて思わずこちらの胸まで苦しくなりましたし。
あと、個人的にはあの生意気なチャーリーも結構好きでして、プライドが高くて高飛車で本当にイヤな奴でしたが、最後の最後で「惚れた女の信じるものを俺も信じる!」と感情を高ぶらせる姿にはグッときました。それだけにあのあっけない最期についてはちょっと納得がいかない。もうちょっと見せ場を作ってあげてほしかったなぁ。