原題:Trollvinter
著者:トーベ・ヤンソン
発行:1957年
まっ白な雪にとざされたムーミン谷。パパとママといっしょに冬眠にはいったのに、どうしたわけか春がこないうちにたった一人眠りからさめてしまったムーミントロール。はじめて知る冬の世界で彼のすばらしい冒険がはじまった・・・。
<感想>
舞台はいつものムーミン谷ですが、いつもの賑やかさはなく、とても静かで寂寥感いっぱいの雰囲気が、なんとなく新鮮でした。
“いやらしい”冬の世界で、色々な生き物と出会い、様々な経験を通して少しづつ冬の世界の素晴らしさを発見してゆき、その経験を自らの糧として成長を遂げたムーミンが、「いまこそ、ぼくはのこらず知ったわけだ」とつぶやく姿は、とんでもなくカッコいいです。
あと、おしゃまさんのキャラクターもとても良かった。
普段は歌うたいのおしゃまさんが、りすくんのお葬式のときだけ、歌ではなく詩の朗読で送るシーンが、なんとも切なく印象的でした。
児童文学 | ムーミン谷の冬
