児童文学 | つるつるスロープ

原題:The Slippery Slope
著者:レモニー・スニケット(ダニエル・ハンドラー)
発行:2003年
オラフに妹をさらわれた! 後を追う姉兄はV・F・D本部へ突入。謎の組織の正体やシリーズを揺るがす衝撃の事実が。

<感想>
全13巻の「世にも不幸なできごと」シリーズの第10巻。
今回は、オラフに一人さらわれてしまったサニーが目覚ましい活躍を見せます。
一味をうならせる程の料理の腕前をふるったり、重要な情報を聞き出すスパイ活動を見事にやり遂げたりと、その成長ぶりがうかがえますが、何よりも印象的だったのは、その強い意志と行動によってオラフの仲間に感銘をあたえ、改心させてしまったところ。
「あかちゃんじゃないよ」と、サニーの身を案じるヴァイオレットをぎゅっと抱きしめる頼もしい姿にウルっときました。
ちなみに、今作にはびっくりするような意外な人物が登場しますが、なぜか冒頭の登場人物紹介の欄で名前が出てしまっているので、これから読まれる方は、最初はそこに目を通さず読み始めた方が、よりびっくりできて楽しめると思います。