児童文学 | 敵意ある病院

原題:The Hostile Hospital
著者:レモニー・スニケット(ダニエル・ハンドラー)
発行:2001年
殺人の濡れ衣をきせられた孤児たち。潔白を証すには自力ですべての謎を解かねば。すると、両親が死んだ火事の思わぬ真相が。

<感想>
全13巻の「世にも不幸なできごと」シリーズの第8巻。
少しずつ明らかになってきた事実にわずかな希望が見えつつも、事態は好転の兆しもなく一直線に悪い方向へ。
オラフたち悪人ばかりでなく、悪意のない善良な人達までもがことごとく敵に回ってしまう展開が読んでいて辛かった。
今回も、相変わらずのナンセンスな展開で要所要所楽しませてはくれますが、三姉弟妹の不幸っぷりはますます深刻さを増して、そろそろシャレにならないくらいになってきています・・・。
オラフと同じ”悪者”になってしまったと自己嫌悪に陥るヴァイオレットに対し、「それだけは、ぼくたちはオラフとちがうんだ」ときっぱり言い切ったクラウスのセリフがじんと胸に響きました。