原題:THE BAD BEGINNING
著者:レモニー・スニケット(ダニエル・ハンドラー)
発行:1999年
ハッピーエンドの物語がお好みの方には、本書はおすすめできない。ドキドキはらはらが苦手という方も、おやめになるのが身のためだ。
なぜなら本書は、ビーチで遊ぶ三姉弟妹に、世にも恐ろしい知らせが届けられると、あとはみじめでイバラ、不幸のオンパレードだからだ。知恵と勇気で悪の魔の手と立ち向かう子供たち。しかし、ああ、なんたること!その結末は・・・・・申し上げるまい。ただしもちろん、ハッピーエンドは、なしだ。
<感想>
過去に映画化もされている、全13巻の「世にも不幸なできごと」シリーズの第1巻です。
この物語がいかにアンハッピーなものであるか、冒頭からくどいほど煽ってくるのがちょっと面白い。
その都度説明は入っているにしろ、明らかに子供には難しい言葉を多用した、ある意味古めかしい気取った文体が、なんとも一風変わった世界観を作り出していて、自分は割と好きでした。
文章だけで言うと、小さい子にはちょっと難しいかもしれませんが、ストーリーは明快で、先が気になる展開も申し分なく面白いので、問題ないかと思います。
ちなみに、児童書のこういった物語に登場する悪役は、“悪役だけど憎めない愛嬌のあるキャラ”が定番だと思っていましたが、この作品の悪役オラフ伯爵の、ガチの悪人っぷりにはドン引きでした。
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