原題:うさぎの庭
著者:広瀬寿子
発行:2010年
修は、自分の気持ちがうまく話せない。心をうちあけられるのは、飼っているうさぎのチイ子だけ。そんな修は、古い洋館に住むおばあさんに出あい、少しずつ自分の思いを話しはじめた・・・。勇気とは、友情とは、自信とは―? 修の心の成長を繊細に描く物語。
<感想>
これはもうホントに、何を差し置いてもオススメしたい作品。
主人公・修の心情の機微が、情感あふれる文章でとても丁寧に、愛情たっぷりに描かれていて、最初から最後までウルウルしっぱなしでした。
とにかく全編を通してぐっとくるエピソードばかりでしたが、”だめ人間”と”雨のコロッケ”の2つのエピソードが特に印象的でした。
“だめ人間”では、修の気持ちが痛いほど伝わってきて、こちらまで胸がいっぱいになってしまいましたし、”雨のコロッケ”では、おばあさんを想う修の強い気持ちと、それに快く応えた肉屋さんの気風の良い温かさに、思わず熱いものがこみ上げてしまいました。
あくまで個人的な感想ですが、児童文学と分類される作品の中では別格に素晴らしい作品だと思いますので、是非とも一度読んでみてほしいです。
児童文学 | うさぎの庭
