原題:そして、カエルはとぶ!
著者:広瀬寿子
発行:2002年
むずかしい病気になって入院ばかりしていた弟の良が帰ってきた。とうさんとかあさんは口ぐちに言う。「良がどんなにがんばってきたか、わかるよね?」 わかるさ、でも、ぼくはがんばってこなかった? 兄弟の愛情溢れる物語。
<感想>
良いお兄ちゃんであろうと努める修平の健気な気持ちが少しづつ置いてけぼりにされていって、心がどんどん冷たくなっていってしまう過程が読んでいてとても切なかった。
ただ、”とうさんのゲンコツ”や”かあさんのパワーシャベル”のエピソードなどから、両親それぞれの複雑で微妙な心理も見えてきて、なんともやりきれない気持ちに。
自分の世界や価値観をぐんぐん広げていくことのできる子供の感性の柔軟さは、見ていて本当に胸のすく思いがします。
一応小学生向けの作品とはなっているようですが、もう少し上の年代でも一読の価値のある良書だと思います。
児童文学 | そして、カエルはとぶ!
