原題:ひげよ、さらば
著者:上野瞭
発行:1982年
ある日突然記憶を失った猫のヨゴロウザ。たどりついた所はナナツカマツカの丘と呼ばれる小さな山の中。一癖も二癖もある猫たちが喧嘩ばかりしながら暮らしている。おりしも、“タレミミ”率いる野良犬の集団と猫たちが、縄張りをめぐって一触即発の不穏な空気。猫族は団結して野良犬軍団に立ち向かわねばならない。リーダーはお前だ!夢と冒険に満ちた壮大な物語はこうして始まる―。
<感想>
約780ページという辞書のようなぶ厚さの分量に、とにかく渋すぎる内容。
個人的には好みでしたが、児童書という枠からは完全にはみ出しちゃってますね・・・。
猫が主人公の物語なので、程よくデフォルメはされており、受ける印象はまだマイルドですが、それでもやっぱり内容は生々しく、全体を通して溜飲の下がる展開がほぼ無いので、人によって好き嫌いは大きく分かれそう。
ただ、読後のこの何とも言えないずっしり重たい充足感は、他ではそうそう味わえるものではないので、そういう点では、なかなか貴重な作品なんじゃないかなぁとは思います。
この作者の作品はこれでまだ2冊目ですが、俄然興味がわいてきましたので、他の作品ももっと読んでみよう。
児童文学 | ひげよ、さらば
