原題:小説 あらしのよるに
著者:きむらゆういち
発行:2006年
嵐の夜、仲間からはぐれて逃げ込んだ小屋で、オオカミのガブとヤギのメイは出会う。暗闇の中、二匹はお互いの姿を見ることもなく、夜通し語り合い、心を通じ合わせる。「嵐の夜に」の合言葉を決めて、翌日、会うことになった二匹だったが、白昼の下、自分たちが「食うものと食われるもの」であることを知る。それでも魅かれ合うガブとメイだったが、天敵同士のオオカミとヤギの群れは二匹に非情な命令を下すのだった。
<感想>
もともと好きな作品でしたが、小説版があると最近知って、絵本版(文庫版ですが)再読のうえ、小説版を読んでみました。
絵本版では省略されていた、場面場面での二人(二匹)の心理が、小説版では事細かに描写されているので、もう少し突っ込んでこの物語を味わうためには良い作品だと思います。
ただ、もうホント仕方のないことだとは思うのですが、文体は軽く、描写は浅く、小説を読む楽しさを求めて読む作品ではないかな・・・。
あと、作者の真意は分かりませんが、ガブがより男性的に、メイがより女性的に描かれていたのもちょっと残念でした。
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