ゲーム | ABZU(アプスー)

開発元:Giant Squid
発売元:505 Games
リリース日:2016年8月2日
あの名作雰囲気ゲーム「風ノ旅ビト」のクリエイターによる海底アドベンチャーゲーム。海上で目覚めた主人公は、自分自身が何者であるかも分からぬまま、何かに誘われるように海底の奥深くへと導かれてゆく。深海に眠る古の文明とそこに隠された秘密とは…。

↓↓以下ネタバレが含まれている場合がありますのでご注意ください。↓↓
色とりどりの美しい海底世界をのんびりお散歩するゲーム。
言ってみれば本当にただそれだけのゲームで、ゲーム性やストーリー性はあってないようなものですが、とにかく鮮やかで美しいグラフィックと、要所要所で気分を盛り上げてくれる心地良い音楽とが絶妙に素晴らしく、尋常ではないほどの没入感を味わえるゲームです。
もちろん人によって合う合わないはあると思いますが、そもそもこういった雰囲気ゲーが好きな人であれば、文句なく最高の“興奮”と“感動”を体験できるゲームかと思います。

このゲーム、巷では「風ノ旅ビト」にとてもよく似ていると言われていますが、なるほど確かにその通り「風ノ旅ビト」のコンセプトをそのままに、テーマを海洋に移したゲームといった印象ですね。
やっていることは「風ノ旅ビト」とほぼ一緒で目新しさがないとも言えますし、ゲームの完成度としてもやはり「風ノ旅ビト」に軍配が上がるかなぁといった感じですが、ただ、では個人的にどちらのゲームの方が好きかと問われたら、自分は迷わず「ABZU」と答えます。そのくらい、自分にとっては“肌が合う”ゲームでした。

さて、なぜ自分はこの「ABZU」にそんなに引き付けられるんだろう。
理由はいろいろはありますが、一番大きなところとしては、やはり“海底”というものに本能的(?)に惹かれるものがあるんだろうな。深海の雄大さというか、底知れなさというか、そういったものに触れると本当にゾクゾクするし、理屈抜きで引き込まれてしまいます。
おそらくこの感情の大本は、小さいころに観た映画「ドラえもん のび太の海底鬼岩城」や、ジュール・ヴェルヌの小説「海底二万里」あたりかなぁと。これらを小さいころに観て(読んで)、海底(深海)への畏怖のようなものからくる憧れや、そんな場所を縦横無尽に冒険するワクワク感、このあたりが強く心に焼き付いたんだろうと思います。
そういったもともと自分の中に持っていた海底に対する憧憬みたいなものが、このゲームのコンセプトと異常なまでにマッチしたんだろうな。

ちなみに、個人的には満足度100点満点のこの「ABZU」ですが、せっかくなので、プレイしていてちょっと気になった点も書いておこうかな。
まず主人公の操作感について。これに関しては自分の操作が下手なだけというのもありますし、そもそも慣れてしまえばそこまで気になることでもありませんが、なんというかフワフワした操作感がちょっと独特で、あまり直感的に主人公を動かすことができないため、稀に思った方向へなかなか進んでくれないときがあって少々やきもきしたりすることがありました。
まぁこれについてはチャカチャカ動かせるような操作感にしてしまうと、水中を泳いでる感じがなくなって雰囲気台無しになってしまうのである程度は仕方ないかとは思いますが。
あとカメラワークについて。これは特に流れるステージと陸に上がって歩くステージで気になったんですが、綺麗な景色だなぁと思って観たい方向にカメラを動かしても、強制的に戻されてしまうことがしばしばありました。
せっかく風景を眺めるのが楽しいゲームなので、カメラワークの強制移動はできるだけない方が良かったかなぁと。まぁこれについては技術的な理由もあるでしょうし、言うほどストレスになったというわけでもないですが。
あと、これはもう本当にどうしようもないことなんでしょうけど、やっぱり「風ノ旅ビト」のようなマルチプレイ要素が欲しかった。やってできないこともなかったと思うんですが、どうなんでしょうかね。入れられなかったのか、それともあえて入れなかったのか。
あの名作「風ノ旅ビト」だって、あの絶妙にゆるいマルチプレイがあったからこそ、あそこまでの高評価となったと言っても過言ではないくらい、ゲーム体験を濃密にする要素なだけに、そこだけはホント惜しいなぁと感じました。

個人的には是非とも「ABZU2」を出していただきたい。
コンセプトもまた同じような感じの2番煎じ3番煎じでまったく構わないので、新たなフィールドを追加してもらって、全体的にもうちょっと広くして探索要素も増やしてもらって、そしてできればゆるマルチプレイ要素を追加してもらってと、そんな「ABZU2」を是非プレイしたい。Giant Squidさん、是非ともよろしくお願いいたします!

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